2025年を振り返って

この2025年は、私にとって人生の岐路となる激動の1年となりました。

 

昨年末に福岡山王病院への異動が決まり、2025年3月に赴任することになりました。

それまで14年の長きにわたり多くの経験を積ませていただいた西新潟中央病院を去ることは、大きな決断が必要でしたが、

長くご指導をいただいた亀山先生からのご支持もいだだき、福岡への旅立ちを決意しました。

 

福岡山王病院では以前はてんかん外科も行っていたことがあったとはいえ、この数年脳外科医不在のためてんかん外科ができていなかったということもあり、

また、私が行おうとしているてんかん外科は、かなり特殊であったということもあって、

ほとんどイチからのてんかん外科診療体制の築き上げをしていなければならないという、

これまで経験したことのないミッションを始めから背負うこととなりました。

これまでは、既存のシステムに自分が慣れていけば良かったのですが、

自分でシステムを作っていくということは、

よく言えば、自分の思うとおりにできるとも言えますが、

全てを自分の責任において、何から何まで決めていかなければいけないという、大きな責任を負うこととなります。

 

これから自分が目指していく低侵襲てんかん外科の実現のために、絶対に必要である!と主張し続け、

ようやく導入を決めてもらったてんかん外科用ロボット支援装置(ROSA)と、術中画像確認装置(O-arm)という、

自分の中ではイメージができてはいたものの、実際に運用するのは初めての経験で、

果たしてうまくいくのだろうか、という不安と期待の入り交じった最初の2ヶ月でした。

 

そんな中でとても心強かったのは、

最初の2ヶ月の間に、多くの部門、スタッフを対象に勉強会を何度か開かせていただきましたが、

皆さん、とても熱心に聞いてくださって、いろんな質問もいただき、非常に前向きな姿勢が感じられたことでした。

なにより、福岡山王病院ではてんかん外科に精通している脳神経内科医の先生方のサポートは、今まで経験したことのない診療体制であり、とても頼もしく感じました。

 

ようやく5月に手術をスタートすることができましたが、

最初に2例の視床下部過誤腫、そして1例の内側側頭葉てんかんに対するROSAを用いた定位温熱凝固術を行い、

無事に終えられた時には、心からホッとしました。

幸い、皆さん術後に問題となるような合併症もなく、術後に発作なく経過しており、上々のスタートとなりました。

 

そして、いよいよ6月には、定位的頭蓋内脳波(ステレオ脳波;SEEG)電極留置術を行い、その結果を基に7月にはてんかん焦点に対する定位温熱凝固術を行う事ができ、

自分の理想とする手術の流れが少しずつ確立できているのを実感できました。

 

おかげさまで、5月〜12月の8ヶ月の間に、すでに9例の視床下部過誤腫に対する定位温熱凝固術を行う事ができ、

福岡に異動した後もご紹介いただいた主治医の先生方、来院してくださった患者さん、ご家族の皆様には心から感謝申し上げます。

 

その他にも、

2例の内側側頭葉てんかん

6例の定位的頭蓋内脳波電極留置、そのうち5例はその後、てんかん焦点定位温熱凝固術

を行うことができ、

今のところ、いずれの手術も大きな合併症なく終えることができ、福岡山王病院における低侵襲てんかん外科がそれなりに順調に進んでこられたと思っています。

 

この流れを維持し、2026年にはますます多くの患者さんの治療に携わることができればと、決意を新たにした次第です。

また、手術のみならず、情報発信にもますます力を入れていかなければならないとも思いました。

多くの患者さんやご家族の方から、温かいお言葉をいただき、より多くの人によりよい治療が届けられればと願うばかりです。

 

この情報サイトも、視床下部過誤腫のみならず、ひろくてんかんの外科治療に関して、特に我々が行っている低侵襲てんかん外科を紹介するべく、

もっと情報量を増やしていかなければならないと思いました。

 

とかいいつつ、なかなかこれまでも記事のアップデートができていませんでしたが、

2026年は、情報発信、論文作成にも力を入れていきたいと思います。

 

今年も多くの方々にお世話になりました。

また来年ももっともっと多くの方々にお世話になることと思いますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

(なんとか年内に間に合った...)